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マカロン/ アメリカでパリを想う

3種類のマカロンを、作りましたではなく、今回は買いました(笑)。
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マカロン/ アメリカでパリを想う_f0022388_1533469.jpgシアトルっ子の台所でもあり、人気観光名所でもあるパイクマーケットにあるフランスのパン屋さん「Le Panier」にて。私は、このお店で美味しいクロワッサンやバゲットをよく買っていますが、マカロンを買ったのは初めてです。下はピスタチオ、真ん中はチョコレート、上はラズベリー。その他、レモン、バニラ味もありましたよ♪


帰り道、本屋である一冊の本を手にしました。本の題名は、「Paris to The Moon」(By Adam Gopnik)。この本について何か予め情報を得ていたわけでも、著者を知っていたわけでもなかったのです。ただモノクロのパリの景色が描かれていた表紙に自然と心が惹かれて、パラパラと立ち読みしてました。この本は、ニューヨークのライターがパリに住み移り、アメリカ人の視点でパリの魅力を描いた本でした。アメリカ対フランスの文化比較がなかなか興味深く、読み進めているうちに、もっと読みたくなり、結局この本を買いました。




そして、この本を買ったら、しばらく頭からパリが離れなくなりました。こんなにパリを想ったのは、本当に久しぶり。

マカロン/ アメリカでパリを想う_f0022388_1451572.jpg私が、初めてパリに心が惹かれたのは、20歳の頃。当時フォト・ジャーナリストをしていたボーイフレンドが、銀座プランタンで開かれていたフランスの写真展に連れて行ってくれたのがきっかけでした。

写真展の帰り道、彼から大きなポスターをプレゼントされました。そのポスターは、ロベール・ドアノー、「パリ市庁舎前のキス」。ドアノーの作品では一番有名ですよね。

当時、26歳という若さで63ヶ国を旅していた彼は、あちらこちらの国に行く度に、ドアノーやブラッサイのモノクロのポストカードを世界の街角からいつも送ってくれていたのです。結局彼とは5~6年つきあっていたので、かなりのポストカード・コレクションができました。

なので、フランスのモノクロ写真には、今でも特別な思い入れがあるのです。特に、パリのモノクロ写真をみるたびに、懐かしい恋人に再会するような、そんな切ない気持ちになります。それでいて、お腹の底が暖かくなるような気持ちにもなるから不思議です。

ちょうど昨年の今頃、パリで開かれたオークションにて「パリ市庁舎前のキス」のオリジナル(18 x 24,6 cm)焼付けで、裏にROBERT DOISNEAUの判が押されている作品が、スイス人のコレクターによって約2000万円もの高値で落札されました。いくら有名な作品だとはいえ、写真の落札額としては破格の値段ですよね。

この作品のモデルになったカップルは、見ての通り美男美女。まるでクラッシック映画の一コマのように、一度見たら忘れられないインパクトがあります。彼らは、ドアノーが偶然街で見かけたカップルなのか、それともモデルなのか、また当時どんな物語を綴っていたのだろうと長年思いにふけっていました。

そして、この長年の謎が解けました。なんとこの写真に写っている女性が誰だか判明されていて、しかも健在だったのです。女性の名前はFrancoise Bornet(現在75才)、男性はJacques Carteaud(他界)。

1950年、アメリカの雑誌"Life"に「パリの恋人たち」の写真を依頼されたドアノーが、ある日カフェでこの女性と恋人を見かけ、彼たちにパリ市庁舎の前でキスをするように頼んで撮られたのが、「パリ市庁舎前のキス」だったそうです。当時演劇学校の学生だったこの女性と恋人。数ヵ月後この二人は別れ、女性は別の男性と結婚していました。

こんなエピソードがあったなんて~。 笑えたのは、75歳になったこの女性の発言-"The photo was staged, but the kiss was real,"「写真はポーズしたものだけれど、キスは本物だったのよ」。いくつになっても恋する女性でい続ける、粋なフランス人女性といった感じですよね(笑)。*75歳になったFrancoiseさんの写真をみつけました!興味のある方はこちらをクリック。

なぜ自然な恋人たちのキス・シーンを撮らなかったのかという質問に、ドアノーは「道端でキスをしているほとんどのカップルは"認められていない"カップル。僕はそんなカップルの写真を撮る勇気はなかった」と答えたそうです。「認められていないカップル」ってどういう意味かしら?!浮気?それとも遊び?それとも美しい花火のように消え去る儚い恋???。きっとドアノーは、本物の純粋な「永遠の愛」を表現したかったのでしょうね。

「愛」と言えば、一生のなかで心から愛せる人に、何人出会えるのかしら~なんてちょっと珍しいことを考えてしまいました(笑)。

私は、愛されるより、愛する側のほうが尊いことだと思ってます。なぜなら、愛されるというのは受動的な受け身の行為だけれど、愛するってことは自分の心から湧き出てくる能動的な行為。愛されることももちろん素敵なことだけど、なんらかの意味があってこの世に生まれてきたのなら、やはり自分の心で感じ、頭で考え、誰かを心の底から愛せたら素敵だと思いませんか。これは、男女間のことだけではなく、家族愛や友情にもあてはまるのではないかしら。自分が心の底から愛している、また別の言葉に言い換えると「心の底から大切に思っている」人たちとの素敵な縁に恵まれた人は、とても幸せな人だと思います。多くの人々が「愛する」人たちに囲まれて生活していれば、地球はもっと幸せな場所ではないかしらと。。。

なんだかだいぶ話がそれてしまいまいました(笑)。今日は、とにかくアメリカでパリを想った一日でした。そして、近いうちに、自家製マカロンにもチャレンジしてみたいです♪

by matsumiseattle | 2006-04-15 23:35 | その他  

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